Pickles 2 プロジェクトのセットアップ手順について説明します。
Pickles 2 プロジェクト は、PHP環境で動作するウェブアプリケーションの雛形で、Composerコマンドを使って簡単にインストールすることができます。
この章では、 Pickles 2 プロジェクトのセットアップ手順について説明します。
Pickles 2 を始める前に、お使いのシステム環境を確認してください。
Pickles 2 が動作するために、システム上で php
コマンド、composer
コマンド、git
コマンドがインストールされ、パスが通されている必要があります。
これらの環境が整っていない場合は、参考: 周辺環境のセットアップ方法 のページを参考に、環境を構築してください。
composer
コマンドを使用して、新規 Pickles 2 プロジェクトを作成します。
"コマンドプロンプト" (macOSでは "ターミナル")を開いて、インストールしたい先のディレクトリに移動してください。
$ cd /path/to/your/working_directory
このコマンドは、インストール先のディレクトリへ移動すること指示しています。/path/to/your/working_directory
の部分をインストール先のディレクトリのパスに置き換えてください。
ただし、ディレクトリ内は、何も含まれていない空っぽの状態である必要があります。
$ composer create-project pickles2/pickles2 ./
インストールが完了したら、指定したディレクトリの中に、いくつかのファイルとディレクトリが生成されます。
次のコマンドを実行して、バージョン番号が表示されれば成功です。
$ php src_px2/.px_execute.php "/?PX=api.get.version"
"2.1.16"
Git を使ってプロジェクトを世代管理する場合は、次の手順で Gitリポジトリを初期化してください。
$ cd /path/to/your/working_directory
$ git init
$ git add --all -v ./
$ git commit -m "initial commit"
キャッシュを生成するディレクトリなど、.gitkeep
が設置されています。Gitの除外設定によって、コミットできない場合は、git commit
の前に次のコマンドを実行し、追加してください。
$ cd /path/to/your/working_directory
$ git add -fv src_px2/common/px_resources/.gitkeep
add 'src_px2/common/px_resources/.gitkeep'
$ git add -fv px-files/_sys/ram/*/.gitkeep
add 'px-files/_sys/ram/applock/.gitkeep'
add 'px-files/_sys/ram/caches/.gitkeep'
add 'px-files/_sys/ram/data/.gitkeep'
add 'px-files/_sys/ram/publish/.gitkeep'
Pickles 2 プロジェクトのインストールが完了したら、ウェブサーバーを起動してブラウザから操作できるようにします。
ウェブサーバーを起動するいくつかの方法について説明します。
PHPに内蔵されている開発用の簡易サーバーを利用する方法です。
pickles2/pickles2
からセットアップしたプロジェクトでは、composer.json
に簡易サーバーの起動コマンドが予め登録されています。これを使用してローカル環境を起動する方法について説明します。
次のコマンドで、起動します。
$ composer start
サーバーが起動したら、ブラウザで http://127.0.0.1:8080/
にアクセスしてプレビューできるようになります。
サーバーを終了するときは、 Ctrl + C
をタイプしてください。
パブリッシュされた公開コードを静的に確認したい場合は、代わりに次のコマンドを使います。
$ composer run-script start-pub
サーバーが起動したら、ブラウザで http://127.0.0.1:8081/
にアクセスしてプレビューできるようになります。
サーバーを終了するときは、 Ctrl + C
をタイプしてください。
Pickles 2 プロジェクトを Apache + PHP の環境で動作させることができます。 一般的な LAMPP 環境で動作します。
次のコードは Apache の設定例です。プレビューおよび Clover CMS の管理画面は、 src_px2
に格納されているので、ここをドキュメントルートに設定します。.htaccess
を有効にするための AllowOverride All
と、PHPを動作させるための AddType application/x-httpd-php .php
を含めてください。
より詳しい設定方法については、Apache および PHP のドキュメントを参照してください。
Listen 8080
NameVirtualHost *:8080
<Directory "/path/to/your/working_directory/src_px2">
AllowOverride All
AddType application/x-httpd-php .php
Order deny,allow
Deny from all
Allow from 127.0.0.1
Allow from ::1
</Directory>
<VirtualHost *:8080>
DocumentRoot "/path/to/your/working_directory/src_px2"
</VirtualHost>
静的にパブリッシュされた公開コンテンツは、 dist
に格納されているので、ここをドキュメントルートに設定します。パブリッシュされたコンテンツは基本的に静的なHTMLなどのファイル群なので、ドキュメントルート配下を静的に配信するシンプルな設定を与えます。
Listen 8081
NameVirtualHost *:8081
<Directory "/path/to/your/working_directory/dist">
AllowOverride All
Order deny,allow
Deny from all
Allow from 127.0.0.1
Allow from ::1
</Directory>
<VirtualHost *:8081>
DocumentRoot "/path/to/your/working_directory/dist"
</VirtualHost>
Pickles 2 プロジェクトを Nginx + PHP の環境で動作させることができます。
次のコードは Nginx の設定例です。プレビューおよび Clover CMS の管理画面は、 src_px2
に格納されているので、ここをドキュメントルートに設定します。Nginxでは、 .htaccess
に相当する機能が使えないので、パスをリライトする設定を含めます。および、PHPを動作させるためのFast-CGIの設定を含めてください。
より詳しい設定方法については、Nginx および PHP のドキュメントを参照してください。
http {
server {
# Preview
listen 8080;
server_name localhost;
root /path/to/your/working_directory/src_px2;
# Pickles Framework へ転送
location ~ ^(?!/\.px_execute\.php/).*?(/|\.(html|htm|css|js))$ {
rewrite ^/(.*)$ /.px_execute.php/$1 last;
}
# 除外ファイルへのアクセスを拒否
location ~ ^/(?!\.px_execute\.php/).*?\.(?:ignore)([\.\/].*)?$ {
rewrite ^/(.*)$ /.px_execute.php/.ignore.html last;
}
# Fast−CGI - PHP
location ~ \.php/ {
try_files $uri $uri/ @php-fpm;
}
location @php-fpm {
fastcgi_split_path_info ^(.+\.php)(/.*)$;
fastcgi_pass unix:/path/to/fastcgi/nginxFastCGI.sock;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
include fastcgi_params;
fastcgi_param PATH_INFO $fastcgi_path_info;
}
}
}
静的にパブリッシュされた公開コンテンツは、 dist
に格納されているので、ここをドキュメントルートに設定します。パブリッシュされたコンテンツは基本的に静的なHTMLなどのファイル群なので、ドキュメントルート配下を静的に配信するシンプルな設定を与えます。
http {
server {
# Dist
listen 8081;
server_name localhost;
root /path/to/your/working_directory/dist;
}
}
セットアップした直後にプレビューにアクセスすると、 管理画面の初期設定画面が開きます。
初期設定では、お名前、ユーザーID、パスワード、メールアドレス、使用する言語 を入力して、最初の管理者ユーザーを作成します。
この初期設定画面は、ユーザーが定義されていない場合に表示されるものです。最初の管理者ユーザーが作成されたあとには表示されなくなります。
管理者ユーザーの作成に成功すると、続いてログイン画面が表示されます。先程作成した最初の管理者ユーザーのIDとパスワードを入力し、ログインしてください。
しばらくすると、新機能やバグ修正などが反映された新しいバージョンのパッケージが公開されることがあります。
時々 composer update
を実行して、ライブラリを最新バージョンに保つようにしてください。
次のコマンドでパッケージを更新することができます。
$ composer update
新しいバージョンがリリースされているか知るには、 更新履歴 を参照してください。
不要なプロジェクトを削除する場合は、 ディレクトリごと削除します。
Apache や nginx にバーチャルホストを設定した場合は、この設定も削除してください。