公開日: 2025年05月18日(Sun)
近年、AI技術の進化は目覚ましく、コンテンツ制作のワークフローにも大きな変化をもたらしつつあります。特に AIエージェント と呼ばれる、自律的にタスクを遂行するAIの登場によって、CMSのあり方も改めて問い直されていくでしょう。
これからのAIエージェント時代に、CMSにはどのような機能が求められるようになるのでしょうか? いくつかの観点から考えていきたいと思います。
AIエージェントは、MCPサーバーのようなツール群を活用し、CMSのAPIを通じてコンテンツを生成・編集することが可能になります。
加えて、もしも、CMSが管理するデータの全体をエージェントが直接編集できるならば、APIの制約を受けず、より効率的に、よりクリエイティブな編集を任せられるようになる可能性があります。
CMSの持つデータの構造的なあり方が、AIエージェントの可能性を引き出す鍵になるでしょう。
AIエージェントは、良き共同編集者です。人が制作したコンテンツを、よりよいものへとブラッシュアップしてくれたり、逆に、AIエージェントが制作したドラフトを、人の手で仕上げていくようなこともあるでしょう。
もしも、AIが制作したコンテンツが、AIにしかわからない難しい形式で表現されていたら、人との共同作業は成立しなくなってしまいます。共同編集者である以上、人とAIは同じツール、同じインターフェースを共有している必要があります。
従って、CMSのUIが "人にとって使いやすいこと" は、AIエージェントの時代になっても変わらず重要であり続けるでしょう。
AIエージェントは、ほんの少しの指示(プロンプト)から、大量のコンテンツや編集結果を一気に出力することが得意です。これは非常に強力です。しかし、それが強力であるほど、人の指示に少しの間違いや曖昧なところがあれば、大量の間違ったアウトプットがCMSに登録されてしまう、ということでもあります。
このような状況で、編集内容を正確に、そして広範囲に「アンドゥ」(元に戻す)できる機能は、AIエージェントと安全に連携する上で不可欠な機能となるでしょう。
人とAIの両方にとって編集しやすいこと、編集内容を正確にアンドゥし、何度でも安全にやり直しができること。このようなことが、AIエージェントの時代にCMSに求められる、新しいニーズとなるのではないでしょうか。
AIがどれだけ進化しても、最終的にコンテンツに魂を吹き込み、読者に届けるのは「人の思い」です。AIエージェントの可能性を最大限に引き出しつつ、安全かつ効率的に、そして何よりも、人とAIの快適な共同編集環境を実現するために、CMSには今回ご紹介した3つの要件が期待されることになるでしょう。
Pickles 2 は、これらの新しいニーズに応えるユニークな特徴を多く備えています。
ファイルベースアーキテクチャ: MySQLなどのデータベースに依存せず、コンテンツやサイト構成情報をすべてファイル(HTML、PHP、JSON、CSVなど)として管理します。
このような一般的なフォーマットで記述されたコンテンツは、AIエージェントが直接理解し、ファイルシステムから編集操作することができます。APIの制約に縛られない、より柔軟で創造的なコンテンツ操作が実現できる可能性を秘めています。
Git連携による正確なアンドゥ機能: Pickles 2 の管理画面には、コンテンツをGitでバージョン管理できるツールを搭載しています。これにより、コンテンツの編集履歴がすべてGitリポジトリに記録され、自在にアンドゥしたり、編集内容を確認したりすることができます。
AIエージェントがどれだけ大量の変更を加えても、Gitの機能を使えば、いつでも、どの時点の状態にも正確に戻すことができます。また、編集内容のバックアップや、複数のステージング環境への展開、別サーバーへの移行などもGitを通じて容易に行えます。これは、AIとの協働作業における安心の基盤となります。
Excel や CSV で表現するサイトマップ: Pickles 2 のサイトマップは、 Excel や CSV といったビジネスの現場で馴染み深い形式で管理できます。ページの並び順や親子関係、 SEO に関する要素などを、Excel の表で全体を一覧しながら直感的に編集できます。
ブロックエディタ「Broccoli」: コンテンツ編集には、部品化されたドキュメントモジュールを、直感的なドラッグ&ドロップ操作で組み合わせてコンテンツを構成できるブロックエディタ「Broccoli」を搭載しています。コーディングの専門知識がない方でも、美しく整った高品質なHTMLを作成できるよう設計されています。
Markdown 記法での記事編集: Markdown は、簡単な記法で構造化されたHTML文書を表現できる編集ツールで、多くの人と AI に利用されています。Pickles 2 は、ブロックエディタ以外に、Markdown でもコンテンツを表現することができます。
Pickles 2 は、オープンソースライセンスで配布されており、誰でも無料でお試しいただけます。
ぜひ、クイックスタートガイドからお試しください。
公開日: 2025年05月18日(Sun)